2005年05月09日

ミステリオーソ/ハードボイルド

昔からパラレル処理が大の苦手で、例えば米と肉は一緒に食べるが、その合間に野菜をつまむということができない。サラダならサラダを完食してから次の品目に移る。読書も同じで一冊を読み終えてから次の一冊に移る。それが自分に合った流儀で、これはおそらく一生変わることはないだろうと考えていましたが、なんのことはない、最近になってあっさりと読書スタイルが変わった。近頃は常に三冊並行読みが習慣になっています。

 (イ)じっくり時間が取れた時に読む長編
 (ロ)ちょっとした空き時間に読む短編集
 (ハ)常に持ち歩いて隙を見てつまみ読む小説以外の本

基本的に「ミステリ」としてカテゴライズされる小説しか読まないので、(ハ)もおのずとミステリ関連のものになりがち。現在は国産ハードボイルド作家として方々から高い評価を受けながらも「尞(りょう)」の字が変換されにくいために「寮」と間違えられたり「りょう」でお茶を濁されたり、挙句の果ては文字化けしたりするのが常になっている 原尞『ミステリオーソ』 (エッセイ・対談/ハヤカワ文庫)に取り組み中。この次は同時に文庫化された 『ハードボイルド』 (エッセイ・対談・短篇/ハヤカワ文庫)になだれ込む予定。

原尞の作品は処女作 『そして夜は蘇る』 (早川書房)しか読んでいないので、ファンなどとはとても呼べない。普通なら傑作の呼び声高い直木賞受賞作品の次作 『私が殺した少女』 (早川書房)に進むべきところですが、作品そのものよりも レイモンド・チャンドラー の信奉者としての著者に強く共感してしまう私にとっては、その前にエッセイ集を、というのも順番としては間違いではないはず。

 


ジャズ,映画,ハードボイルド,レイモンド・チャンドラー,…

趣味のベクトルが完全に私とシンクロしている。それらを咀嚼する力とそれを表現する文章力には埋めるべくもない差があるのは当然にせよ、方向性としてはほぼ同じ。特にハードボイルドやチャンドラーに対する氏の一家言は、丁寧で謙虚な文体の中から強烈なこだわりを発散していて読み応えがある。読んでいて嬉しくなってくる。

ハードボイルドとは、あらゆる難問に答えていく小説だと私は考えている。

10回うなづく。その文章、できることなら自分が思いつきたかった。

ミステリオーソ@bk1
ハードボイルド@bk1

投稿者 nill : 23:24 | コメント (3241) | トラックバック