« 何と言う/奥田民生 | メイン | Music for Chirstmas! »

2004年10月09日

Verde Que Te Quero Rosa/Cartola

愛するマンゲイラブラジル・サンバ界の至宝 カルトーラ、1977年、69歳の時のアルバム『Verde Que Te Quero Rosa』より、冒頭一発目の表題曲(邦題「愛するマンゲイラ」)。

カルトーラ、本名アンジェノール・ヂ・オリヴェイラ。史上2番目のエスコーラ・ヂ・サンバ(「サンバの学校」の意。サンバ・チームのことを伝統的にそう呼ぶ)であるエスタサォン・プリメイラ・ヂ・マンゲイラの中心人物として活躍する。この時、弱冠20歳。しかし、やがて肥大化したマンゲイラとの間に確執が生まれ、カルトーラは音楽の表舞台から姿を消してしまう。時は過ぎ、1959年、映画『黒いオルフェ』にちょこっと出演したことをきっかけに、カルトーラは再びサンバの表舞台へ。そして1974年、ついにデビュー・アルバムをリリース。なんと66歳! その後は順調に音楽活動を展開し、マンゲイラとも和解して69歳にして作り上げたのが、この『Verde Que Te Quero Rosa』なのである。

とまあ、日本盤のライナー・ノーツやその他の資料から得たにわか知識をまとめるとこんな感じ。つまり私は全然サンバには詳しくないわけですが、要するに年季が違うということだ。ジャケット見てくださいよ。これはもう大好きなジャケットなのです。腹に一物ありそうな老獪な顔つきがめちゃくちゃイカします。ちなみにカルトーラが持っているカップの色(緑とピンク)はマンゲイラのチーム・カラーだとか。

ひと口にサンバと言っても、リオのカーニヴァル系ダンス・ミュージックからサウダージの代表格であるボサ・ノヴァまで、実に幅広いわけですが、「Verde Que Te Quero Rosa」のゆったりと落ち着いたテンポは個人的に最も身体に馴染みます。カルトーラの声にはコクがあり、録音も良い。ぼくにとっての極上リラクゼーション・ミュージック。おまけに曲の最後にはいわゆる腰振り笛吹きのカーニヴァル系サンバ・サウンドも顔を出し、サンバといえば「お嫁サンバ」と「マツケンサンバ」しか思い浮かばない、そんなアナタへの入門曲としてもオススメです。

投稿者 nill : 2004年10月09日 01:32

トラックバック

このエントリのトラックバックURL:
http://www.heavysmoke.com/mt-cgi/tora.cgi/12

コメント

カルトーラは大好きで、私のblogのロゴに使わせてもらっています。
何枚か持っているのですが、一番好きなのは「人生は風車~沈黙のバラ」。
重いけど軽い(?)、疲れたときにも聴ける1枚です。

投稿者 n_ayada : 2004年10月10日 01:32

コメントありがとうございます。
サンバってとても楽しい音楽ではあるけれど、ぼくにとっては実生活とほとんどリンクすることのない“雰囲気”で聴く音楽だったんですよね。
その認識を変えてくれたのがカルトーラです。
彼が奏でるサンバには日常の生活に根ざした人間くさいエッセンスがたくさん詰まっているような気がします。

投稿者 nill : 2004年10月10日 02:15

コメント歓迎




保存しますか?