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2003年12月31日

年間ベスト・ミステリ 2003

○関連記事: 年間ベスト 棚卸

2003年に読んだミステリ ベスト5を選出するのはとても楽だった。読書量が貧弱だったので四の五の言ってる余裕がないのだな。


   

  


01. 終戦のローレライ/福井晴敏
なんのヒネリもなく、ローレライが1位。二段組上下巻の隅々まで行き渡る著者の情熱に圧倒されながら読む一遍。冒険小説不遇の時代によくぞここまで書き上げてくれました。ここでの潜水艦バトルは、文字通り「前代未聞」だと思う。映画化の方はハッキリ言って期待していないけれど、でもやっぱり観てみたい。

02. 亡国のイージス/福井晴敏
そうなんだ、ぼくは 『イージス』 も03年になってから読んだのだった。 『イージス』 と 『ローレライ』 については自分の中で甲乙ついてないけれど、 “ 『亡国のイージス』 という傑作の次” という大きな壁を乗り越えた、という一点で 『ローレライ』 を1位にした。でも破格の面白さはどちらも折り紙付きですね。

03. モンスター・ドライヴイン/ジョー・R・ランズデール
B級もの、バカミス系をハズしまくった03年。その中で唯一異彩を放ったのがランズデールのこのハチャメチャ青春SFホラーコメディ。いつものようにドライヴイン・シアターにたむろしてB級映画と共に夜を明かす主人公たち。そこに突然空から彗星が降ってくる! そこから先はもう理屈もへったくれもない混沌の世界へ…。脳が踊る。

04. 黒と青/イアン・ランキン
チャンドラーの流れを汲む正統派ハードボイルドのマナーを踏襲しつつ、“俺が掟だ”系のエッセンスを絡めることにも成功したランキンの <リーバス警部> シリーズ代表作。プロットも相当しっかりと練られていて読み応え充分。デニス・レヘイン,マイクル・コナリー,イアン・ランキン…ぼくにとってはこの三人が現代ハードボイルドの最重要トリオ。

05. 暗闇にひと突き/ローレンス・ブロック
10年,15年前に読んで面白いと思った作品は、はたして今読むとどうなの? というのはよく思うこと。 03年は個人的に「馴染み深いシリーズ物の再読」というテーマに取り組んでいたので、その中から一冊。ブロックの <マット・スカダー> は最も愛着のあるシリーズのひとつ。この作品を読んだ当時はさほど面白いと思った記憶はないが、読み返してみると、シリーズ代表作の一つである次作 『八百万の死にざま』 に至る伏線がギッシリと詰まっており、非常に興味深い。この「再読」には2004年も引き続き取り組んでいく予定。なんといっても金がかからないのがイイ!


以上5作品。われながら何の意外性もないな。
でも2004年もやっぱりハードボイルドで行くぞ! と心に決めている。


※この記事は、ミステリ小説を無責任に読む集まり(コミュニティ)「このミステリーはすごい?」(現在はmixiで活動中)に投稿した記事を転載したものです

投稿者 nill : 2003年12月31日 01:54

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