« Asian Dub Foundation - Community Music | メイン | イールズの電気ショック・ブルーズ (51点) »

2005年04月17日

ブルーズ・エクスプロージョンのダメージ (67点)

「あんまり聴いていないロック・アルバム」のプレイリストをエントリしてから実に一ヶ月弱が経過してしまった今ではもちろんとっくに全然違うものを聴いているわけだが、自分に課した義務としてきっちりレヴューは書きますとも。ちなみにその一ヶ月弱もの間に何をしていたかというと、育児に専念していました。

Blues Explosion - Damage [2004]

ジョン・スペンサーは普通にブルーズ・ロックをやっていれば充分カッコイイと思うのだが、何かちょっとしたコンセプトのようなものを掲げないと燃えない体質なのかもしれない。96年の傑作 『Now I Got Worry』 でひとつの頂点を極めてしまった後も、名うてのプロデューサーやサウンド・クリエイターらに自分たちの作った音を素材として提供してその調理技術を競わせた 『Acme』 (98年)、まともすぎて意外だった直球勝負のロックン・ロール・アルバム 『Plastic Fang』 (02年) 、さて次はどんな手で来るかと思いきや、なんとバンド名を変えちまいやがった。

変えたといっても「ザ・ジョン・スペンサー・ブルーズ・エクスプロージョン」から固有名詞を削除して「ブルーズ・エクスプロージョン」になっただけで、音楽サイト「VIBE」に掲載されたインタヴューによれば、

「USとかヨーロッパでは、以前からブルース・エクスプロージョンって呼び名が一般的なんだ。だから、新作を出すのを機に変えただけで、これといった理由はないんだけどね。」

とのことらしいが、個人的な好みを言えば、なんだか地味になってしまったようで大いに不満である。「ジョン・スペンサー&ザ・ブルーズ・エクスプロージョン」ではないところがいたく気に入っていたのだが…。

さて、音に関してはこれまでに体得してきたスタイルを組み合わせた構成で、コレといった新味はない。が、それでも凡百のロック・バンドごときではとても太刀打ちできないレヴェルにすでに到達しているので心配は不要。ダレすぎずイキすぎずのラッセル・シミンズのドラミングは安心のブランドに近づきつつある。 #2「Burn It Off」 のようなシンプルなロックン・ロールができるようになったことも大きい。話題のDJ シャドウとのコラボ曲 #10「Fed Up and Low Down」 は期待にたがわずアルバム中もっとも破壊的な出来映えで、名実ともにハイライト・ナンバーになった。

太く短く、パッと咲いて美しく散る、というのも悪くないが、そのタイミングはすでに逃してしまっているので、こうなったらあとは“円熟”するしかない。期待してます。マジで。 試聴する Amazonで買う

投稿者 nill : 2005年04月17日 04:30

トラックバック

このエントリのトラックバックURL:
http://www.heavysmoke.com/mt-cgi/tora.cgi/117

コメント

コメント歓迎




保存しますか?